
ゆっけ
こんにちは、ゆっけです。
獣医師の転職先を考えるとき、意外と見落とされがちなのが地方公務員という選択肢。 「公務員試験は難しいんじゃないの?」「年齢的にもう無理でしょ?」と思っている方、多いんじゃないでしょうか。
結論から言うと、それ、誤解です。
地方公務員獣医師は、獣医師業界における"駆け込み寺"と言っていいくらい、転職のハードルが低い職場です。 ワークライフバランスを重視している獣医師にとって、知っておいて損はない選択肢です。
この記事でわかること
- 地方公務員獣医師の採用ハードルが低い具体的な理由
- データで見る「獣医師の偏り」と人手不足の実態
- 「変わった人」が一定数いるという業界の本音
- ワークライフバランス重視の獣医師に向いている理由
- 面接で必ず確認すべきポイント
地方公務員獣医師の採用ハードル、本当に低いです

ゆっけ
「公務員」と聞くと、難関試験を突破しないとなれないイメージがあるかもしれません。 でも地方公務員の獣医師職は、まったくの別世界です。
年齢制限:60歳までOKの自治体も
民間企業だと「30代後半からは厳しい…」みたいな話、よく聞きますよね。 でも地方公務員獣医師は違います。
60歳まで応募可能な自治体も普通にあります。 つまり、何歳になっても獣医師資格さえあれば、転職のドアが開いている職場ということ。
試験:基本なし、面接のみで採用される自治体が多い
公務員試験のあの分厚い問題集——獣医師職には基本的に不要です。 自治体によっては、履歴書と面接だけで採用が決まるところも珍しくありません。
筆記試験があっても、専門試験ではなく簡易な常識テスト程度ということも。 「公務員試験のために半年勉強しないと…」というプレッシャーは、ほぼ不要です。
なぜここまでハードルが低いのか

ゆっけ
理由は単純で、全国的に獣医師が圧倒的に足りていないからです。
特に地方では、求人を出しても応募者がゼロということも珍しくない。 だから自治体側も「とりあえず獣医師資格を持っている人なら来てほしい」というスタンスになります。
データで見る:獣医師は「小動物臨床」に偏りすぎている
このハードルの低さの根拠を、農林水産省の公式データで確認してみましょう。
獣医師は2年に1度、獣医師法第22条に基づいて勤務状況を国に届出する義務があります。 最新の令和6年(2024年)データを見ると、獣医師の偏りが一目瞭然です。
獣医事に従事する獣医師の職域別内訳(令和6年12月31日現在)
| 職域 | 人数 | 割合 | |---|---|---| | 小動物診療(犬猫) | 16,717人 | 約47% | | 都道府県・市町村職員(公務員) | 8,137人 | 約23% | | 製薬・飼料等企業 | 2,727人 | 約8% | | 産業動物診療 | 1,762人 | 約5% | | 国家公務員 | 549人 | 約2% | | その他(教育・民間団体・農協など) | 5,527人 | 約15% |
出典:農林水産省「獣医師の届出状況(令和6年)」 獣医事従事者総数:35,419人

ゆっけ
獣医師全体のほぼ半分が小動物臨床に集中している一方、地方公務員と産業動物臨床は明らかに人手不足。だから採用のハードルがここまで下がるんです。
国もこのデータを基に「産業動物獣医師の確保対策」を推進しているくらい、構造的な不足が続いています。
正直に言うと、「変わった人」も一定数います

ゆっけ
ここからが、他の転職サイトじゃ書かない本音の話です。
採用ハードルが低い=いろんな人が入ってくるということでもあります。 公務員獣医師の世界には、ちょっと個性的な…いやかなり個性的な人も一定数います。
これは別にディスっているわけじゃなくて、業界あるあるとして知っておいてほしい事実。

ゆっけ
「公務員獣医師は人格者ばかり」みたいな幻想は持たないほうが、入ったあとのギャップが少ないです。むしろ人格者はあまりいないのが実情かもしれません…。
ただ、傾向として面白いのは——
若い人たちはまともな人が多いということ。 変な人が多いイメージがあるのは、年配の方のほう。

ゆっけ
おそらく、優秀でまともな人たちは早めに転職して別のキャリアを選んでいるから、結果的に長く残っている年配層に個性派が多くなっているのではないかと推測しています(あくまで個人の感想です)。
ワークライフバランス重視ならハマる理由
ここが、この記事を読んでいる方にとって一番大事なポイントだと思います。
① 残業がほぼない
緊急対応が発生する自治体もありますが、基本的に定時で帰れます。 夜中に呼び出されることも、土日に出勤することも、ほぼありません。
② 有給・育休・介護休業がしっかり取れる
民間と違って、休暇制度が法律で守られているのが公務員の強み。 「申請しづらい雰囲気」もほとんどなく、子育てや家族の事情に合わせて働けます。

ゆっけ
たとえば子どもの保育園から発熱の呼び出しがあれば、時間休を取って迎えに行ける。これは民間ではなかなか難しい働き方です。
③ 転勤はあるが範囲が読める
異動はありますが、基本的に同じ自治体内。 東京から札幌へ、みたいな転勤はありません。家族の生活設計が立てやすいです。
公務員以外の選択肢も視野に入れるなら
ワークライフバランス重視の転職先は、公務員だけではありません。 比較対象として、こんな選択肢もあります。
| 転職先 | ワークライフバランス | 給与 | 採用ハードル | |---|---|---|---| | 地方公務員 | ◎ | △ | ◎(低い) | | 製薬会社 | ○ | ◎ | △(やや高い) | | 食品関連企業 | ○ | ○ | △(やや高い) | | 一般開業医(小動物) | △ | ○ | ◎(低い) |

ゆっけ
製薬や食品関連は給与が高い分、応募の競争率も高め。一方で公務員は採用されやすく、入ってしまえば長く安定して働けます。「すぐ転職したい」「年齢に不安がある」という方には、公務員が現実的な選択肢です。
面接で必ず確認すべきポイント

ゆっけ
採用ハードルが低い分、入ってから「思ってたのと違う…」となるケースもあります。 面接時には、最低限このポイントを聞いておきましょう。
① 配属先の業務内容を理解しておく
公務員獣医師の配属先は多様です。それぞれの仕事内容は別記事で詳しく書いているので、リンクから読んでみてください。
- 保健所(狂犬病予防員・食品衛生など)→ 保健所に勤める公務員獣医師の1日(狂犬病予防員編)
- 家畜保健衛生所(家畜衛生・防疫業務)→ 別記事執筆予定
- 食肉衛生検査所(と畜検査)→ 別記事執筆予定
- 県庁・市役所本庁(行政事務)→ 別記事執筆予定

ゆっけ
そして残酷な現実として——希望配属を伝えても、希望通りになることはほぼありません。配属は完全に運です。諦めましょう。 私も最初は家畜保健衛生所を希望していましたが、保健所配属になりました。
「希望できるけど運次第」というのは公務員あるあるなので、覚悟しておくと精神的に楽です。
② 異動のサイクルと範囲
何年ごとに異動があるか、範囲はどのエリアまで含まれるか。 家族の生活設計に直結するので、ここは曖昧にしないでおきましょう。
③ 残業の実態(部署による違いを忘れずに)
「公務員=残業ほぼなし」というのは、配属先による部分が大きいです。

ゆっけ
特に注意してほしいのが2つ。
1つ目は鳥インフルエンザ・口蹄疫など家畜疾病が発生した場合。 発生地域では家畜保健衛生所を中心に、文字通り死ぬほど残業します。これは祈るしかありません。
2つ目は本庁勤務の場合。 都道府県庁の本庁配属になると、残業がデフォルトの世界です。月40時間程度は覚悟したほうがいいでしょう。
「公務員は楽」というイメージで入ると、ここでギャップに苦しむ人が一定数います。
④ 給与・手当の詳細
基本給だけでなく、獣医師手当・地域手当・住居手当の有無を確認。 特に福岡県・徳島県は「特定獣医師給料表」で給与が高めです。給与に関する詳しい話は別記事で書いています。
ちなみに:主な公務員獣医師職の比較
公務員獣医師の中でも、配属先によって働き方や給与は大きく変わります。
公務員獣医師の主な3つの職場を、簡単な比較表でまとめました。
| 職場 | 1日の動き方 | 残業・緊急対応 | 給与 | |---|---|---|---| | 食肉衛生検査所 | ルーティン(同じ場所) | ほぼなし | 公務員獣医師で最高水準 | | 保健所(狂犬病予防員) | 事務作業+外回り | 苦情対応など、少なめ | 標準 | | 家畜保健衛生所 | 現場・検査室・デスク | 鳥インフル等で激変、通常は少なめ | 2番目に高い |
転職先として「公務員獣医師」を検討するときは、どの職場に配属されるかで働き方が大きく変わることを覚えておいてください。
まとめ:選択肢の一つとして「公務員」を持っておく価値

ゆっけ
地方公務員獣医師は、決して「キラキラした花形職場」ではありません。 変わった人もいますし、配属は運次第、本庁に当たれば残業もそれなりにあります。
でも、採用されやすく、ワークライフバランスが取りやすく、長く安定して働ける——これは確かな事実です。
「臨床で疲れた」「家族との時間を増やしたい」「もう転職活動に体力を使いたくない」—— そんな気持ちが少しでもあるなら、地方公務員獣医師は有力な選択肢の一つとして持っておいて損はありません。
そして何より、いつでも応募できるという安心感。 これが、まさに「セーフティネット」と呼ぶ理由です。
関連記事
※ 採用条件・試験内容・給与体系は自治体・年度によって大きく異なります。最新情報は各自治体の採用ページで必ず確認してください。

