
ゆっけ
私は新卒で地方公務員(保健所)になり、産業動物臨床を経て、再び地方公務員(家畜保健衛生所)に戻ったキャリアを歩んできました。
今回は「辞めたくなった瞬間」を厳選5つにまとめます。

ワン
ゆっけさん、地方公務員獣医師って「楽そう」「安定してそう」ってイメージですけど、実際どうなんですか?

ゆっけ
それが世間のイメージなんですよね、でも実際に働いてみると辞めたくなる瞬間があるんです。
動物病院や産業動物の「あるある」の、地方公務員バージョンとして読んでもらえたら。
同業の人には「わかる…」と頷いてもらえるはずです。
📌 この記事の結論
- あるあるの正体は組織の構造的な問題
- 給与頭打ち・異動希望が通らない・年功序列・住民対応・ルーティン
- でも、どの職場にも辞めたくなる瞬間はある
- 地方公務員だけが道じゃない(他の選択肢も知っておく)
先に、この記事でいちばん伝えたいことを。
これから挙げる5つの「辞めたくなる瞬間」は、あなたの適性不足ではありません。
公務員という組織の構造が生んでいるものです。
なぜそう言えるのかは、5つを読み終えるころには分かるはず。
「公務員=楽で安定」のイメージとのギャップも含めて、リアルをどうぞ。
あるある①:頑張ってもほかの公務員と給与があまり変わらない
地方公務員の給与は完全に給料表で決まるのが特徴です。
どんなに頑張っても、どんなに残業しても、同じ年次の公務員獣医師と給与はほぼ変わりません。
人事評価制度は一応あります。
でも評価が良くても、給与とボーナスが微増するくらい。
数百万円単位で増えるわけではありません。
そして問題なのが、評価が高い人ほど本庁勤務になること。
「あいつは仕事できるから本庁にお願いしよう」という配属方針が、当たり前に行われます。
本庁では予算編成・議会対応・災害対応・感染症対応と、次々に業務が降ってきます。
夜遅くまで残業するのが日常です。
優秀な人ほど本庁勤務になり、それが嫌で辞めてしまう人も多い。
結果として公務員獣医師は変わった人が多くなりがち、という構図ができあがります。
真面目に働く人がバカを見る——これが辞めたくなる瞬間です。
あるある②:異動の希望が通らない
地方公務員は数年ごとに異動があります。
本人の希望は「異動希望調書」に書いて提出します。
でも——希望は、ほぼ通りません。
県内とはいえ、家族の事情を書いても平然と遠方の出先機関に異動になることがあります。
通勤2時間コースになる人も珍しくありません。
さらに、入庁時に「家畜保健衛生所で働きたい」と思っても保健所に配属されることがあります。
農政部と公衆衛生部の異動はほぼないため、最初に配属された部署で公務員生活を過ごすことになります。

ゆっけ
私も最初は家畜保健衛生所が良かったのですが、保健所に配属されて、異動希望も通らず、結果的にすぐ退職する決断をしました。
「配属ガチャ」と言ってもいいくらい、最初の配属で公務員人生が大きく変わります。
あるある③:年功序列で給与が決まる
地方公務員の給与体系は完全な年功序列です。
基本給は、勤続年数で自動的に上がっていきます。
だから、若手のうちはメリットを感じにくい。
そして現場で働いていると、明らかに仕事をしていないおじさん・おばさん獣医師の方が、自分より給与が高いという現実に直面します。
これがじわじわとモチベーションを削っていく。
頑張っても評価されない、頑張らなくても給与は上がる。
この構造が、優秀な若手が公務員を辞める原因のひとつだと感じています。
あるある④:意味不明な電話が来る
地方公務員獣医師の業務には住民対応が含まれ、これが地味に精神を削られる。
たとえば「隣のおばあちゃんが猫に餌をあげて大量繁殖させている」「動物病院で犬が死んだ、医療ミスでは」といった電話。
「税金で食ってる癖に」「家畜の糞尿が臭い」というものもあります。
こちらでは対応できないような電話が多いのですが、「民民(当事者同士)で解決してください」と直接言うと怒ります。
なので、話を聞きつつ穏便に切る方法を考えながら対応します。
1時間以上切ってくれない人、精神的に不安定な人、暇で仕方ない人。
こうした対応を、業務の合間にしなければいけません。

ゆっけ
そういう人に限って定期的に電話してきて、電話番号を見ただけで「今日はあの人の日か…」と疲れる瞬間(笑)。
これも、地方公務員獣医師あるあるです。
あるある⑤:完全なるルーティンワークで、仕事に飽きが来る
地方公務員獣医師の業務は年間スケジュールがほぼ決まっているルーティンワークです。
毎年ほぼ同じ時期に、同じ業務が回ってきます。
4月も夏も年末も、ほぼ毎年コピー&ペーストのように繰り返されます。
3年目くらいまでは「学ぶことが多くて新鮮」と感じられます。
でも5年目を超えた頃から強烈な「飽き」が来るのがあるある。
「今年も同じことをやるのか…」「自分は成長しているのか?」という疑問が頭をよぎります。
刺激を求める人には、精神的にキツい環境です。
逆に「ルーティンが安心」という人には、とても働きやすい職場。
ここは性格との相性が大きい部分です。
地方公務員あるあるは「組織の構造的な問題」でもある
ここまでの5つには共通点があります。
個人の頑張りでは解決しにくい、組織全体の構造的な問題だということ。
- 給与が頑張っても変わらない → 公務員の給料表制度の問題
- 異動の希望が通らない → 組織人事の都合優先の問題
- 年功序列で働かない人の方が高給 → 完全年功序列制度の問題
- 意味不明な電話対応 → 行政の住民対応窓口としての宿命
- ルーティンの繰り返し → 年間業務サイクルの固定化の問題

ゆっけ
ただ、これは地方公務員に限った話ではなく、どの職場にも辞めたくなる瞬間はあります。
動物病院でも、産業動物臨床でも、企業でも、必ず何かしらのしんどさはついてくるもの。
大事なのは「自分にとって、どの職場が一番合っているのか」を探すこと。
せっかく獣医師になったのだから、自分に合う職場を探す旅をしてみるのも、いいんじゃないでしょうか。
もし地方公務員獣医師が辛いなら、これも選択肢のひとつ

ゆっけ
獣医師としてのキャリアは、地方公務員だけじゃありません。
私自身、地方公務員獣医師を経験したあとに産業動物臨床へ転職しました。
その後また地方公務員に戻り、今は別の畜産関係の仕事をしています。
地方公務員獣医師のしんどさを感じている方には、こんな選択肢があります。
- 小動物臨床 → 完全成果型の世界。頑張った分だけ給与に反映されやすい
- 産業動物臨床 → 現場の手応えがある。動物と直接関わりたい人向け
- 製薬会社・畜産関連企業 → 完全土日休み・年収アップしやすい・新しい挑戦が多い
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「地方公務員獣医師しか道がない」と思い詰める前に、ぜひ他の選択肢も知ってみてください。






