
ワン
ゆっけさんって、公務員→臨床→公務員→畜産って…けっこう転々としてますよね?不安じゃなかったんですか?

ゆっけ
めちゃくちゃ不安でしたし、「自分は逃げてるだけでは?」と何度も自分を責めました——でも今は、この回り道が全部、財産になったと言い切れます。
公務員→臨床→公務員→畜産。
履歴書だけ見ると、たしかに「転々としている」経歴です。
今日は、私の3回の転職の「理由・進め方・しくじり」を、全部正直に書きます。
📌 この記事の結論
- 私は保健所→NOSAI→家畜保健衛生所→畜産と3回転職した
- 転職のやり方は毎回違った(直接応募・働きながら試験・エージェント)
- 一番のしくじりは**「下調べ不足」と「言い出せない先延ばし」**
- 「転々としてる=逃げ」ではなかった。経歴は足し算になる
まず全体像:私の転職年表
先に、私のキャリアの全体像をお見せします。
| 職場 | 主な仕事 | 転職の方法 |
|---|---|---|
| ① 保健所(地方公務員) | 狂犬病予防員として登録・啓発・苦情対応 | 新卒で入庁 |
| ② NOSAI(産業動物臨床) | 牛の診療を1日8〜10件、5年間 | 自分で見つけて直接応募 |
| ③ 家畜保健衛生所(地方公務員) | 伝染病検査・病性鑑定・農場指導 | 働きながら公務員試験を受験 |
| ④ 畜産関係(現在) | 現場と政策の橋渡し | 転職エージェント経由 |
こうして並べると、きれいなキャリアに見えるかもしれません。
でも実際は、しくじりと葛藤だらけでした。
順番に話していきます。
① 新卒・保健所:最初のしくじりは「下調べ不足」
私は学生時代から「公衆衛生や行政の分野で動物に関わりたい」と思っていました。
農林水産省を目指して国家公務員試験を受け——不合格。
切り替えて、地方公務員獣医師として保健所からキャリアを始めました。
そして、ここで最初のしくじりをします。
入ってから「想像と違う」と気づいたんです。
狂犬病予防員の仕事は、犬の登録、予防注射の啓発、苦情対応。
「動物に関わる仕事」のはずが、実際は事務作業と住民対応がメインの日々。
動物と直接触れる時間は、思った以上に少なかった。

ゆっけ
仕事内容を具体的に調べずに飛び込んだ私の、完全な下調べ不足でした。
いま思えば、1日のタイムスケジュールを現職の人に聞くだけでも、ギャップはかなり防げたはず。
だからあなたには、転職前に「その職場の1日」を具体的に知ることを強くすすめます。
② 保健所→NOSAI:現場への転職は「直接応募」だった
「もう少し現場で動物に関わりたい」。
その気持ちが強くなり、九州のNOSAI(産業動物臨床)に転職しました。
方法はシンプルで、自分で採用情報を見つけて直接応募。
産業動物の世界は、犬猫の動物病院と違って求人が表に出にくいんです。
だから「待つ」のではなく、NOSAIや団体の採用ページを自分から見にいくのが正解でした。
転職後は、牛を中心に1日8〜10件・走行距離100kmの診療を5年間。
体力的にはハードでしたが、「自分の手で動物の命に関わっている」という手応えが最も濃い5年間でした。

ワン
公務員を辞めるのは、怖くなかったんですか?

ゆっけ
怖かったですが、「安定してるけどモヤモヤし続ける未来」より「やりたい仕事をやる未来」を選びました。
③ NOSAI→家保:一番苦しかったのは「言い出せなかった」こと
3回の転職で、一番の見せ場(=一番のしくじり)がここです。
臨床5年目、体力勝負の毎日の先を考えて、「行政の側から産業動物を支える仕事に戻ろう」と決めました。
戦略は堅実でした。
働きながら公務員試験を受験し、合格という"退路"を確保してから動く。
これ自体は、今でも正解だったと思います。
問題はそのあとです。
合格したのに、「辞めます」が言い出せなかった。
産業動物の現場は、どこも人手不足。
自分が抜けたら同僚の負担が増えるのが分かっているから、言うタイミングを逃し続けました。
「今日こそ言おう」と思って出勤して、言えずに帰る。
その繰り返しで、ズルズルと時間だけが過ぎていきました。

ゆっけ
はっきり言って、先延ばしにしても1ミリも楽になりませんでした。
結局、意を決して切り出したら——拍子抜けするほど、ちゃんと話は進みました。
この経験から言えるのは、ひとつだけ。
言い出す苦しさは、先延ばしした日数ぶんだけ増える。
切り出し方・引き止められたときの返し方には「型」があります。
あのころの私に渡したかった手順を、1本にまとめてあります。
④ 家保→畜産:初めてエージェントを使った
家保の仕事は「現場5割・検査室3割・デスクワーク2割」。
臨床のフィールド感と行政の視点が両方あって、私にはよくハマる職場でした。
そこから現在の畜産関係の仕事に移ったのは、これまでの経験を「現場と政策の橋渡し」に使えるポジションだったから。
そしてこの転職では、初めて転職エージェントを使いました。
使ってみて分かったのは、この3つ。
- 非公開求人が本当にある(自分では絶対に見つけられなかった)
- 条件交渉を代わりにやってくれる(自分で年収の話をしなくていい)
- 在職中でも進めやすい(日程調整を全部任せられる)
1回目の転職(直接応募)と比べると、かかる手間が全然違いました。
直接応募が悪いわけではありません。
ただ、「働きながら・バレずに・条件も交渉したい」なら、エージェントのほうが向いています。
そもそも求人サイトと何が違うのか、から知りたい方はこちらをどうぞ。
年収はどうなった?(傾向を正直に)
お金の話も、正直に。
結論から言うと、私の場合は転職のたびに、少しずつ上がりました。
「公務員を辞めたら生活が苦しくなる」と思われがちですが、私は下がっていません。
ただし、これは職種の組み合わせと時期にもよるので、「転職すれば必ず上がる」とは言えません。
大事なのは、転職は年収を下げるとは限らない、という事実のほうです。
各職場の1年目のリアルな給与は、それぞれ公開しています。
「転々としてるのは逃げ?」——私なりの答え
最後に、一番伝えたいことを。
転職を繰り返していたころ、私はずっと「自分は逃げてるだけでは」「甘えなのでは」と自分を責めていました。
履歴書の職歴欄が増えるたび、「転々としている」と見られる気がして。
でも、いま振り返るとはっきり分かります。
経歴は引き算ではなく、足し算でした。
- 保健所で行政の動き方を覚えた
- NOSAIで現場の手応えと農家さんの目線を知った
- 家保で防疫と検査の裏側を見た
- だから今、「現場と政策の橋渡し」ができている
4つの現場を知っている獣医師は、業界全体でもかなりレアです。
「どっちつかず」だと思っていた経歴が、そのまま強みになりました。

ワン
じゃあ、いま「辞めたいけど、逃げかも…」って悩んでる人は、どうしたらいいんでしょう?

ゆっけ
「逃げかどうか」を悩む前に、その悩みが環境を変えれば解決するものかを仕分けるのが先です。
私が転職のたびに使ってきた考え方を、判断基準として1本にまとめてあります。
まとめ:回り道は、無駄じゃなかった
最後に、もう一度結論です。
- 私は3回転職し、やり方は毎回違った(直接応募・働きながら試験・エージェント)
- しくじりは**「下調べ不足」と「言い出せない先延ばし」**——どちらも防げるもの
- 年収は転職のたびに少しずつ上がった
- 「転々としてる」は逃げではなく、経歴の足し算だった
いま迷っているあなたの一歩が、何年か後の「財産」になるかもしれません。
私の失敗ごと、参考にしてもらえたら嬉しいです🐾
転職の全体像(STEP1〜5の地図)は、こちらにまとめてあります。








