
ワン
ゆっけさん、女性獣医師って 40歳までに8割が臨床現場を離れる って本当ですか…?

ゆっけ
本当です、ただ大事なのは個人の問題ではなく、業界構造の問題として理解すること——そうしないと何も変わりません。
「女性獣医師が続かない」は、本人のがんばりの問題ではありません。
これから獣医師になる女性、今まさに悩んでいる女性、両方に届けたい話です。
📌 この記事の結論
- 女性獣医師は40歳までに約8割が臨床を離れる
- 原因は体力・妊娠中の制限・産休育休・夜勤の4つ(個人でなく構造の問題)
- でも、辞める=キャリアの終わりじゃない
- カギは、ライフイベントが起きる前に早めに動くこと
まずデータから:何人が辞めているのか
獣医学生の男女比は、ここ20年で女性が多い世代もあるくらい変化しています。
一方で、現場で働く獣医師の女性比率は伸びていません。
理由はシンプルです。
入った人が続かないから。
女性獣医師の臨床現場残存率(推定)

ワン
…40歳で5人に1人しか残っていない、ですか。

ゆっけ
数字としてはそうです、私の同級生も半数以上が女性でしたが、それでもここまで離脱率が高いのが現実です。
これは「女性が弱い」からではありません。
業界が女性のキャリアを支えられていないからです。
続けられなくなる4つの理由
① 体力勝負が続く労働環境
小動物臨床は1日12〜13時間×週6日が標準です。
20代のうちは耐えられても、30代に入ると確実に体に出ます。
大型犬の保定で腰を痛める。
立ちっぱなしで足がむくむ。
慢性的な睡眠不足になる。
さらに体力だけでなく、院長や動物看護師との人間関係に悩むことも。
二重・三重のストレスがかかるのが、小動物臨床の現実です。
② 妊娠中の業務制限
妊娠が分かると、診療業務に大きな制限がかかります。
- レントゲン撮影に立ち会えない
- 麻酔ガスのある手術室に入れない
- 大型犬の保定ができない
- 抗がん剤の取り扱いができない
- 重い物を持てない
つまり妊娠中の獣医師はできる仕事が大幅に減る。
それでも給料を払い続けてくれる病院ばかりではないのが現実です。
③ 産休・育休が取りづらい
法律上は取得できます。
ただし、現場の空気は別問題です。

ワン
退職を勧められる…?

ゆっけ
はい、信じがたいですが、いまだに普通にあるんです。
育休できる体制が整っていない病院も多くあります。
人数ギリギリで回しているので、復職してもポジションがないという話も。
実際、私の友人も子供を産んだ後、復職せず子育てをしています。
これは個人の選択というより、復職が現実的に難しい構造になっていることが大きな理由です。
④ 夜勤・呼び出しと家庭の両立
子育て中、最も厳しいのがこれです。
入院動物の急変で、深夜に急遽対応する。
子供が熱を出しても、代わりに勤務する人がいない。
残業が読めず、保育園のお迎えに間に合わない。
パートナーや実家のサポートがフル稼働しても、それでもギリギリ。
サポートが薄い場合、続けるのは現実的に不可能になります。
それでも臨床を続けるための選択肢
「諦めるしかない」という話ではありません。
続けるための選択肢も、ちゃんとあります。
① 大手チェーン病院への転職
産休・育休制度が整い、復職プログラムや時短勤務が可能なケースが多いです。
最近は動物病院を系列化し、福利厚生を充実させる病院グループも増えています。
② 二次診療施設への転職
夜間呼び出しが少なく、完全週休2日が多い職場です。
専門性で勝負するので、時短でも価値が出せます。
③ 行政・公務員獣医師への転職
産休育休が法律できっちり保証され、残業少なめ・土日休み・復職しやすい環境です(ただし年収はやや下がります)。

ゆっけ
私が公務員獣医師だった頃も、結婚や育児を機に臨床から公務員へ転職してきた女性は本当に多かったです。
ライフイベントとキャリアを両立しやすい職場として、女性獣医師に選ばれている職種だと実感しました。
④ 企業転職(製薬・ペットフード等)
完全土日休み・残業少なめで、育児との両立がしやすい選択肢です(臨床から離れることへの抵抗感はあります)。
⑤ 開業(自分の理想の働き方を作る)
ハードルは高いですが、自分でルールを決められます。
時短診療・予約制で回す病院も増え、「女性院長が、女性スタッフと働きやすい病院を作る」という選択肢もあります。
後輩女性獣医師に伝えたいこと
私が同期や後輩を見てきて、特に伝えたいことが3つあります。
- 「続けられない」のは自分のせいじゃない … 業界構造の問題で、個人の根性や努力で乗り越える話ではありません。
- 早めに「移ること」を選択肢に入れる … 20代のうちから情報を集めて、ライフイベントが起きる前に移るのがベスト。妊娠してから動くと、選択肢は一気に狭まります。
- 「臨床を辞める」=「キャリアの終わり」ではない … 臨床を離れても獣医師としての道はたくさんあります。「臨床に居続けることが正解」という思い込みを捨てるだけで、ぐっと楽になります。

ゆっけ
私自身も、子供が小さいときは臨床を離れました。
当時は「キャリアを諦めた」ような気持ちになったこともありました。
でも結果的に、公務員獣医師として別の形で経験を積めたことで、視野がぐっと広がりました。
臨床から離れても、獣医師としての価値は変わりません。
まとめ
- 女性獣医師の40歳までの臨床離脱率は約8割
- 理由は体力・妊娠中の業務制限・産休育休・夜勤や急な対応の4つ
- これは個人の問題ではなく、業界構造の問題
- 続けるためには環境を変える選択肢を持つ
- 早めに動くほど選択肢が広い
これから獣医師になる女性、今悩んでいる女性、すべての人に**「自分を責めなくていい」**と伝えたいです。
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ゆっけ
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